こんにちは。
裏紙日記では、一つのトピックから考えた自分の考察を書いたり、本の感想、米国株関連の記事を書いております。
この記事では、今後株価上昇が見込める【$BYND】ビヨンドミートを紹介します。
内容を簡単にまとめたものを下枠に記載するので、時間のない人はここを見ていただければと思います。
この記事のポイント
- 代替肉産業はCAGR15%の大幅成長が予想される分野
- $BYNDの第3四半期売上はコロナ下で+2.7%
- 営業利益の大幅赤字は生産増が目的の人員・設備投資
- 次の決済で大きく上抜けする可能性あり
目次
ビヨンドミートと業界について
はじめに、ビヨンドミートがどんな事業を行っているかを紹介していきます。
ビヨンドミートは大豆を使った代替肉の開発によって、代替肉開発スタートアップ企業で初めてNASDAQに上場した企業です。
近年は、欧米諸国を中心に、「ヴィーガン」や「ベジタリアン」などの菜食主義者が急激に増加しています。これは、健康意識や環境保全、動物愛護などの観点から、動物系のものを口に入れないと決めた人たちです。
ただ、菜食主義者の彼らも、お肉が嫌いだから食べないわけでは有りません。お肉が好きな人も多いでしょうし、お肉の味が忘れられない人も多いと思います。ですが、それ以上に環境や動物愛護などの点で自分がその社会事情に加担したくないという思いが強いのではないかと思います。
また、ヴィーガンやベジタリアンまで強制はしませんが、動物系の食べ物の摂取を減らしている「フレキシリタリアン」という人たちも増えているようです。
「フレキシリタリアン」という形態での食生活であれば、動物性の食べ物を完全に禁じるわけではないので参入しやすく、環境保護の観点に意識のある人は「フレキシリタリアン」という食生活を行う人が増えていくのではないかと思います。
こうしたヴィーガンやベジタリアン、フレキシリタリアンという菜食主義者の人口の増加に伴って、植物性由来のお肉「代替肉」の需要が増加しています。
代替肉市場を全体で見ると、今後2025年にかけてCAGR約15%という高水準で成長していくと予想されています。
2019年の市場規模は約1兆3000億円でしたが、2025年には3兆円を超えると言われています。
代替肉が認知されるに伴って、菜食主義者人口が増える→代替肉企業の売上が伸びて新製品の開発・既存製品の改良→さらなる認知→、、、といった形で、
菜食主義に対してのハードルが下がる(代替肉の種類の増加・品質の向上)に伴って、代替肉市場は拡大していくのではないかと予想されています。
業績の分析
下のグラフがビヨンドミートのこれまでの売上・営業利益の推移です。2020/12はコンセンサス予想です。


2019年の決算で売上が急成長していることが見て取れます。実際、2019年頃からヴィーガンという言葉が日本でも定着した頃だと思いますので、それに伴って成長したのではないかと考えられます。
営業利益に関しては、2019年にようやく赤字額を大幅に抑えられているので、2020年度の黒字化に期待が高まります。
続いて、11/9に発表された第3四半期決算のポイントをまとめました。
ビヨンドミート第3四半期決算
- 売上高:9440万ドル(前年比+2.7%)
- 営業利益:▲1850万ドル(前年:360万ドル)
売上高は2.7%という微成長になりましたが、営業利益は大幅に赤字転落してしまった決算でした。
米国内小売業の売上は
2019年同期:約4400万ドル に対して、
当期:約6200万ドル という約45%の大幅成長を見せています。
ただ、代替肉市場も新型コロナウイルスの感染拡大による国外外食業への輸出分の打撃が大きく
2019年同期:約2300万ドル に対して、
当期:約810万ドル という約65%の売上減
という結果となり、総合して2.7%程度の増加となってしまったようです。
それでもこの世界情勢の中、食品関連業のスタートアップで売上を伸ばすことができたのは好材料なのではないかと思います。
営業利益の大幅赤字化に関しては、この四半期を通じてEUと中国に人員と工場の投資を行い、ファストフード系レストランへの提供の準備をしたことによる赤字化と発表しております。
実際に2020.11.9に「代替肉をマクドナルドと共同開発」というニュースもリリースされ、今後の売上3億ドルの見通しとなっているようです。
これらを鑑みると、今回の営業赤字は新型コロナウイルスの影響も大きく有りますが、それ以上に将来への準備のための投資という意味合いが大きいのではないかと思いました。
なので、こうした営業赤字を見ても、長期的に見れば好材料の可能性があると捉えてもいいのではないでしょうか。
チャート分析
下の図はビヨンドミートの株価チャートです。
昨年のIPO時と比べると3倍ほど株価上昇してはいますが、現在は$135ラインで安定しているように見えます。
直近では2020.11.9決算発表時に大幅な赤字転落という点で株価は25%ほど暴落しましたが、すぐに持ち直しています。
現状どっちに転ぶかわからない状況のようにも見えますが、$120ラインに支持線があり、そこで2度反発しているので、次にここで反発すれば$160or$200まで上がる可能性も高いのではないかと思います。
次の決算までは$120〜$160(or$200)の範囲での値動きと予想できますが、決算内容次第でここが上にも下にも抜ける可能性が高いのではないかと思っています。上に抜ければ上昇トレンドが出来上がり、下に抜けるとさらなる下降に繋がることも考えられます。
なので、次の決算の結果が大きく株価に影響を及ぼすのではないかと感じています。
総合評価
今回は代替肉事業を行うスタートアップ企業「ビヨンドミート」を紹介しました。
私の評価としては、大幅成長分野を牽引するスタートアップ企業で、今後の伸びには注目できる銘柄だと考えています。
ただ、現在は新型コロナウイルスによる影響が大きい業界なので、これをうまく切り抜けるのか、はたまた押し潰されてしまうのかで株価が大きく動くことが予想されるので、現状は非常に不安定だと感じています。
ただ、事業分野としてはCAGR15%で伸びる大幅成長分野ではあるので、GAFAなどの大企業との業務提携などのニュースのリリースなどにより、水面下での準備が日の目を浴びると、株価が暴騰するというシナリオも見えるのではないかと思っています。
次の決算はおそらく2月の上旬です。この決算の結果が株価を大きく動かすと予想できますので、決算前にこれまでの情報を整理して記事にし、決算後はこの決算で株価がどう動くかを私なりに評価したいと思います。
ここまで読んでいただきありがとうございました*
<裏紙的評価>
収益度 80点 財務健全度 60点
割安度 80点 爆発度 90点
総合評価 83点