こんにちは。
裏紙日記では、一つのトピックから考えた自分の考察を書いたり、本の感想、米国株関連の記事を書いております。
この記事では、現在注目を集めるIPO銘柄【$RKT】ロケットカンパニーズを紹介します。
内容を簡単にまとめたものを下枠に記載するので、時間のない人はここを見ていただければと思います。
- 米国最大の住宅ローンサービス事業を行う企業
- 売上急成長銘柄で今後シェア拡大の可能性大
- 直近の利益を投資して次に成長した時に急騰か!?
- 底値で割安な今仕込むのがおすすめ◎
目次
ロケットカンパニーズと業界について
はじめに、ロケットカンパニーズがどんな事業を行っているかを紹介していきます。
ロケットカンパニーズは、米国最大の住宅ローンサービスを事業としているつ企業です。
住宅ローン業界は寡占のないマーケットで、現在数多くの企業がシェアを拡大しようと競い合っていますが、その中でトップシェアを占めるのがロケットカンパニーズです。
最近の住宅ローン業界におけるロケットカンパニーズの立ち位置としては、
2019年時の業界シェアは6.7%でしたが、2020年第1四半期の段階で9.1%の業界シェアを占めるまでに成長しています。
これは市場シェアのCAGR(年平均成長率)19%という高水準で成長しており、近年の成長が著しく目が離せない企業です。
では、なぜ近年急成長を始めたのでしょうか。
その理由は、CEOにあります。
ロケットカンパニーズはジェイ・ファーナーCEOが会社の舵を取っています。
彼は1996年に入社し、マーケティング責任者を務めていたようで、
2015年に現在の主力事業であるオンライン住宅ローン事業「Rocket Mortgage」を立ち上げた人でした。
その後、2017年にCEOに就任しています。
この企業の成長の歴史を考えると、ジェイ・ファーナーCEOが立ち上げた事業や彼の舵取りが会社の成長を飛躍させる大きな転換点だったのではないかと思えます。
では、ジェイ・ファーナーCEOが立ち上げた「Rocket Mortgage」とはどういったサービスなのでしょうか。
「Rocket Mortgage」がどんなサービスなのかを下の枠内にまとめました。
- 住宅の契約
- 銀行担当者への相談
- アプリ内での書類の交付・契約
- ローンの支払い
このように、「Rocket Mortgage」のアプリ内で住宅の相談から契約、支払いまで全てができるシステムになっています。
こうした便利なシステムであるため、NPS(顧客推奨度)という指標では、
業界の平均が16%という値であるのに対して、
「Rocket Mortgage」のNPSは74%という非常に高い推奨度で、このサービスを使った多くの人が周りの人に勧めたいと思えるサービスだということがわかります。
実際に市場のシェアはどんどん広げており、すでに7000万人もの人がこのサービスを利用しているそうです。
これだけの人たちがサービスを使っていても9.1%しかシェアが取れない米国の住宅ローン業界は、約1000億ドルという巨大な規模だと言われています。
これほど巨大な市場の中でジェイ・ファーナーCEOは、2030年に25%という非常に高いシェアを獲得することを目標にしています。
1985年に創業を開始してこれまで35年間で9.1%のシェアに止まっている企業がこれから10年で25%までシェアを広げるなんて無理に決まっている!と思う人も多いと思います。
でも、私はNPS74%の推奨度に達するほど顧客を満足させることができるサービスを開発する人がCEOに立っているので、今後もまた新たな革新的サービスを次々と開発してあっという間に目標の25%のシェアまで達してしまうのではないかと期待しています。
業績の分析
下のグラフがロケットカンパニーズのこれまでの売上・当期利益の推移です。2020/12はコンセンサス予想です。


2019/12までは売上は横ばいの状態でしたが、2020年のコンセンサス予想で約3倍の売上が見込まれています。
ここまで売上の成長が期待されている要因はどこにあるのでしょうか。
その理由を探すために四半期ごとの売上と当期利益を調査してみました。
下のグラフはロケットカンパニーズの四半期ごとの売上と当期利益です。(4Q/2019はデータなし)


さらに、四半期でみたときにポイントとなる部分を下枠にまとめました。
- Q2/2020から売上が急上昇
- Q2/2020,Q3/2020の当期利益売上比率が約60%の高水準
2Q/2020で大きく成長していることがよくわかります。
前年までは通期売上高が40億〜50億ドルのあたりで横ばいだったため、〜1Q/2020と同程度の売上水準だったのではないかと考えられます。
では、なぜ2Q/2020でこれまでの急成長をすることができたのでしょうか?
売上をセグメント別で見ると、
「DIRECT TO CONSUMER」の部門が前年四半期比142%増加し32億7000万ドルに、
「PARTNER NETWORK」の部門が前年四半期比533%増加し、12億200万ドルに成長している点が大きな影響となったとわかります。
この二つのセグメントは、お客様に寄り添った提案をすることを目的とした部分と大別できます。
なのでこのセグメントの大幅な上昇というのは、私の考えでは顧客推奨度の高いサービスを提供してきたことで、口コミなどでサービスが拡大し、低金利の金融状況も重なったこのタイミングで爆発したのではないかと考えました。
今後、金利の上下によって市場規模も大きく変化する業界なので、それに伴って売上も増減することは予想できます。ただ、ジェイ・ファーナーCEOは、「市場シェアの成長を目的としている」と言っているので、この銘柄に関しては売上の増減に左右されずに市場シェアの成長に注目していきたいです。
また、売上の超成長に伴って当期利益もかなりの水準で増益しています。
トップが10年にわたる成長計画を提示し、新たなサービスを積極的に行おうとしているタイミングでのこの大幅増益は成長のための投資に使いやすいため、今後持続的な成長が期待できるのではないかと感じております。
さらに、売上に対しての当期利益売上比率が60%という非常に高い利益率で運営している点に注目しています。
売上が成長するだけで利益が出ないとなかなかさらなる投資につなげにくいですが、高度な資金繰りで利益を高い水準で確保できているので、この利益の投資先にも無駄なく効率的に使ってくれるのではないかと期待できます。
チャート分析
下の図はロケットカンパニーズの株価チャートです。
ロケットカンパニーズのチャートの着目すべき点は下枠にまとめた3点です。
- 決算前の急騰からの好決算後の急落
- $18ラインい力強いサポートライン
- 数年単位の長期保有で急騰する銘柄か?
このチャートを見ると、IPO直後に急騰し、急落している部分がまず目に入ります。
これは、今回の決算の期待感で次回の成長も期待させてしまったため、好決算だったにも関わらず次回四半期の売上予想が満足できず、この決算後で長期保有せずに売り抜けた人が多いのではないかという印象でした。
4Q/2020の予想をみても、3Qの業績と同等程度に感じられるので直近では大きな株価の変化はしにくいのではないかと考えています。
ただ、4Qでいきなり売上の大幅成長があれば、そのタイミングで2倍以上に暴騰することもあり得るのではないかと感じています。
ただ、次に2Q/2020程の大幅成長がみられるのは、直近で出た利益を投資したものが結果として出た時になると思いますので、長い目で見て次の爆発のチャンスを待つ銘柄なのかなという認識です。
総合評価
今回は米国最大の住宅ローン企業「ロケットカンパニーズ」を紹介しました。
結論としては下枠にまとめた内容となっています。
- 売上急成長銘柄で今後シェア拡大の可能性大
- 直近の利益を投資して次に成長した時に急騰か!?
- 決算時の企業の動向のチェックが重要◎
- 底値で割安な今仕込むのがおすすめ◎
私の評価としては、今後の利益の投資による成長で株価が急騰する銘柄だと考えています。
今後の決算は、この銘柄に関しては売上高だけを追うのではなく、市場シェアの成長率を追いかけるのが攻略のカギではないかと思います。
次の決算にも注目していこうと思います。
ここまで長文を読んでいただきありがとうございました*
<裏紙的評価>
収益度 90点 財務健全度 80点
割安度 98点 爆発度 95点(将来性込)
総合評価 94点