こんにちは。
裏紙日記では、
一つのトピックから考えた自分の考察を書いたり
毎週一冊は本の感想を書いています。
この記事では、「なぜ日立は英国原発輸出から撤退したか?」というテーマで私が考えた考察をまとめたものを書いていきます。
この記事は自分の脳内日記感覚で書いていて、読んでいただいた人がこの記事から何か学びを得てもらえたらいいと思って書いています。
結論として、日立が英国原発輸出から撤退した理由は以下の3点だと私は考察しました。
- 東日本大震災による安全対策費の急騰
- 再生可能エネルギーの普及
- ESGが重視される時代
ここからは、「なぜ日立は英国原発輸出から撤退したのか?」というテーマについて、私が考察したことをお伝えしたいと思います。
目次
英国原発輸出撤退の流れ
最初に、この英国原発輸出撤退の流れを説明します。
背景として、日本政府は原発等のインフラ輸出を日本の成長戦略の一つと考えており、是が非でもこのプロジェクトをなし得たいと考えていた。
2012年11月 日立は、「英国における原子力事業の発展」・「エネルギー政策への貢献」・「日本の原子力事業の基盤強化」の3つを目的にドイツの電力会社の英国法人2社からホライズン社を889億円で買収。
その後、日英両政府からの支援を受けながら原発建設プロジェクトを進行。
ただ、民間企業の一つである日立としては、以下の3つを事業継続の判断基準とした。
- 民間企業としての適切なリターンの確保
- 日立のバランスシートからオフバランス化することを前提とした資金調達モデルの実現
- 民間企業として許容できる出資範囲
順調にいくかと思えたプロジェクトだったが、東日本大震災を受けて安全対策費が嵩んだこともあり、経済合理性の観点から2019年1月にプロジェクトを凍結。
そして2020年9月16日に日立製作所はプロジェクトの撤退を発表した。
※参考:英国原子力発電所建設プロジェクトの凍結に伴う連結決算における減損損失等の計上、個別決算における特別損失の計上および通期連結業績予想の修正に関するお知らせ
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2019/01/f_0117.pdf
なぜ英国原発輸出から撤退したか?
私は日立が英国原発輸出から撤退した理由は以下の3つではないかと考察しました。
- 東日本大震災による安全対策費の急騰
- 再生可能エネルギーの普及
- ESGが重視される時代
1つ目:東日本大震災による安全対策費の急騰
一つ目の理由としては、東日本大震災による安全対策費の急騰です。
東日本大震災を機に、世界中の原子力発電に対しての意識は変わったことは言うまでもありません。
そんな状況下で、今までと変わらない安全対策では世論が納得しないはずがなく、安全対策に費用を大きく振らなければいけなくなったのではないでしょうか。
事実、プロジェクトの総事業費は3兆円にまで膨らんだといいます。
その3兆円のうち2兆円は日英政府が援助する算段になっていたようだが、民間企業で1兆円を負担するのは簡単なことではありません。
ここが許容できる出資範囲を超えてしまったために撤退を余儀なくされたのではないかと考えました。
2つ目:再生可能エネルギーの普及
2つ目の理由は、世界的な再生可能エネルギーの普及にあると考えました。
現在世界的に再生可能エネルギーへの転換が進んでおり、日本国内を見ても、2009年と比較して2019年では再生可能エネルギーは以下のように増加しています。
- 再生可能エネルギー電力比率:約二倍アップ→約18%
- 再生可能エネルギー発電量:約四倍アップ→年間約2300万TWh
また、ヨーロッパの国はさらに再生可能エネルギーへの意識が高い傾向があり、デンマークを見ると2030年に再生可能エネルギー電力比率100%を目指しています。
そんな状況下で、これから有事の危険性の大きい原子力発電を作るのはヨーロッパ各国の流れに反しているようにも見えます。
こういった再生可能エネルギーへの転換点にある今、原子力発電を建設するのは難しかったのではないかと考えました。
※参考:環境エネルギー政策研究所
https://www.isep.or.jp/archives/library/12541
3つ目:ESGが重視される時代
3つ目の理由として、現在世界中でESGが重視される時代になったからであると考えました。
そもそもESGとは、環境(Envirinment)、社会(Social)、ガバナンス(Governance)の頭文字をとった言葉で、企業の長期的な成長にはESGの3つの観点が現在重視されています。
モノを作ることを求められてきた高度成長期以降は、資金を持ち、効率よくモノを作る企業が期待を寄せられていたが、現在は環境やサービスなど、モノから豊かさへと価値が転換された時代になっています。
確かに原子力発電は発電効率が非常に高いと言われているが、東日本大震災が起こってしまった現状安心できないものになってしまいました。
こうした理由からも、原子力発電建設はリスクが大きく、撤退を余儀なくされたのではないかと考えました。
まとめ
この記事では、「なぜ日立は英国原発輸出を撤退したか」というテーマを考察しました。
私の考察は以下の通りでした。
- 東日本大震災による安全対策費の急騰
- 再生可能エネルギーの普及
- ESGが重視される時代
やはり現在はものづくりの効率を上げていくだけが正義ではなく、ESGを尊重し、暮らしの豊かさを重視することが正義に移り変わっているのではないかと思います。
実際世界の最大手自動車メーカーである「TOYOTA」は自動車生産からモビリティサービスの提供に力を入れると発表しています。
このように、世界を牽引する企業は豊かな生活を提供することにシフトしており、そういったサービスに価値が転換されていることがわかります。
10年、20年後には人間が自然を壊していくのではなく、動植物と共生して豊かな生活ができる世界になったらいいとな思います。